ご 挨 拶
菌蕈研究所長
農学博士 福政幸隆

菌蕈研究所は、文部科学大臣・農林水産大臣共管の財団法人日本きのこセンターの中核的機関であります。

本財団の基本理念である「環境保全循環型農林業の維持振興と学術文化の向上発展に寄与する」を達成するため、昭和34年設立以来、 シイタケ等きのこを主とする菌類に関する総合的研究を展開してきております。

森林生態系における物質循環と生物多様性の維持に果たすきのこ(菌蕈類)の役割の解明に関連した分類・生態学的研究、菌蕈資源に秘められた機能開発に関連した遺伝・生理やDNA解析などのバイオサイエンス研究、 環境と人々に優しい持続可能な原木きのこ栽培システムの高度化に関する育種・栽培や経営研究、乾シイタケ原産国偽装表示防止の為の科学的判別法開発研究など、 基礎的研究から応用開発・調査研究に至るまで広範囲に及んでいます。

菌蕈研究所は平成17年4月、鳥取の地に他に例を見ない「菌類・きのこに関する産学官連携研究拠点」を立ち上げる目的で、鳥取大学農学部附属菌類きのこ遺伝資源研究センター の開設に研究員の割愛と菌類遺伝資源の分譲による支援を行いました。
菌蕈研究所では社会のニーズに応える目的指向性の高い応用研究・開発研究やそれを支える基盤的基礎研究に力点を置く一方、長期的展望や問題設定について 多様な視点や方法論を必要とする基礎研究は鳥取大学の同研究センターが中心となり展開しながら、両者の対等・緊密な研究協力体制の下に”鳥取の菌学研究”の 伝統を継承し、さらなる活性化・発展を図ってまいります。

21世紀において益々進行することが危惧される地球温暖化等の環境問題対策として、森林は多面的な期待が高いにもかかわらず、その維持・管理が近年とみに疎かになっています。
菌蕈研究所では、森林資源の保全や利活用に深く係わる中山間地域の環境保全循環型農林業の進行発展に貢献するため、自然循環系の中におけるシイタケなどの有用きのこを主とする 菌類研究ならびに教育研修指導をとおして、学術文化の向上、そして生態的自然観を修得した担い手や技術者等の人材育成にも奇与する所存でございますので 今後とも格別のご指導、ご協力をお願い申し上げます。